日本音楽即興学会(JASMIM)2010大会報告



【発表者】
嶋田 久美/ Kumi SHIMADA
京都大学大学院人間・環境学研究科


【要旨(大会抄録記載)】
臨床の場面において展開される音楽行為は、生命的で不定型なコミュニケーションとして展開されることが多い。その特性を捉えるための方策として、本発表では、臨床の現場おいて即興的に展開される音楽行為、及び音楽的現象(以下、それらを「臨床的即興」と記す)における時間性について検討する。時間の問題は、これまで、哲学・美学、あるいは精神科領域などにおいて重要なテーマであり続けてきたが、臨床的即興のプロセシングを考えていく上でも資する点が多いと考えられる。本発表では、主に、線型に時間を捉えることの限界(大森1992、1994)や、自己と他者とのあいだの問 題として捉えうる時間(木村1982)などに着目し、さらに、パフォーマンスと即興という観点を加えながら、臨床的即興を特徴付ける重要な要素としての時間の問題圏を浮き彫りにしたい。


[参考文献]
大森荘蔵 1992 『時間と自我』 東京:青土社
大森荘蔵 1994『時間と存在』 東京:青土社
木村敏 1982 『時間と自己』 東京:中央公論社